【9月28日 AFP】インドネシアでは、婚前交渉の禁止や汚職摘発機関の弱体化を含む一連の法改正案に反対するデモが数日にわたり続き、これまでに学生2人が死亡した。27日にはジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領が学生らの死に対する調査を命令。国内では新たなデモが行われた。

 インドネシアのスラウェシ(Sulawesi)島ケンダリ(Kendari)の地元病院長によると、同市では26日に起きた暴動で、工学を専攻する男子学生(19)が頭部に打撲傷を負い死亡した。死亡に至った詳しい経緯は分かっていない。

 警察は27日、これに先立ちケンダリで死亡した別の学生について、実弾を受けて死亡したことを明らかにした。ただ、警官らは実弾を装備していなかったと主張している。

 任期2期目の開始を目前に控え大きな試練に直面しているジョコ大統領は、学生2人の死についての調査を指示したと表明した。

 インドネシアでは、各地で行われた街頭デモでの衝突により数百人が負傷しており、警察の暴行疑惑について調査を求める声が高まっていた。27日にはスウェラシ島マカッサル(Makassar)とスマトラ(Sumatra)島メダン(Medan)でデモが行われ、警察が催涙ガスを使用した。

 騒乱のきっかけとなった刑法改正案では、婚前交渉の禁止や、避妊関連商品の販売制限、大統領に対する侮辱の違法化、イスラム教徒が多数を占める同国で定められている冒とく法の厳格化など、数十件の法改正が提案されている。また、汚職摘発機関の権限を弱める内容だとして批判されている別の法案についても反発が起きている。(c)AFP/Denji Sari