【9月25日 AFP】太平洋南西部にあるニューギニア(New Guinea)島のうち、西側のインドネシア領パプア(Papua)州で新たに暴動が発生し、当局は24日、約30人が死亡したと発表した。抗議デモの参加者らが複数の建物に放火し、焼死者が出る事態に発展しており、数千人が避難を余儀なくされている。

 パプア州では人種差別に対する怒りと分離独立を求める訴えが重なり、数週間にわたって暴力的な抗議活動が続いている。

 当局によると、同州の町ワメナ(Wamena)では23日、数百人が抗議デモに参加し、政府庁舎などの複数の建物に放火。26人前後が死亡した。死者の一部は火が付けられた建物の中で焼死したという。

 州都ジャヤプラ(Jayapura)でも同日、治安部隊とデモ隊の間で衝突が発生。当局によると、兵士1人が刺殺され、学生3人がゴム弾で負傷した後に死亡したという。

 軍によると、約700人が取り調べのために拘束された。

 現地の軍司令官はAFPの取材に対し、「焼け死んだ人もいれば、切りつけられて死亡した人もいた」「炎の中に閉じ込められた人もいた」と語った。

 最近相次いでいる衝突の多くは、分離独立を求めるデモ隊と国の治安部隊の間で起きている。

 当局によると、女性と子どもを含む4000人超の住民が、軍や警察の施設、政府庁舎、地元の教会などに避難しているという。

 映像はパプア州の町ワメナで23日撮影。(c)AFP