【9月22日 AFP】米ニューヨークの国連(UN)本部で21日、「国連若者気候サミット(UN Youth Climate Summit )」が初開催された。スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)ら数百人の若者が出席し、炭素の排出削減努力が不十分すぎると旧世代をたしなめた。前日には、世界各地で気候変動対策を求める児童・生徒らのストライキが行われたばかり。

 国連は、若き活動家や企業家500人を招待したが、米国ビザを取得できず出席できなかった招待者も複数いたと指摘した。

 23日に国連気候行動サミット2019(UN Climate Action Summit 2019)を控える中での開催となった。アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は、2015年の地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」に従い温室効果ガス排出量を削減するよう世界の指導者らに求めている。

 若者気候サミットの雰囲気を決定づけたのは、アルゼンチンでの学校ストライキを主導した同国の活動家ブルーノ・ロドリゲス(Bruno Rodriguez)さん(19)の熱のこもったスピーチだった。

 若者サミットの基調講演者ならぬ「基調聴取者」といわれたグテレス事務総長が見守る中、ロドリゲスさんは「気候と環境の危機は、私たちの時代の政治危機、経済危機、文化危機だ」と訴えた。

 ロドリゲスさんは、「私たちの世代は現在のリーダーたちが生み出した問題への対処を任される世代になると、何度も聞かされてきた。そんな未来が来るのを手をこまねいて待っているつもりはない。今こそ私たちがリーダーになる時だ」と主張した。

 昨年スウェーデン議会前で抗議活動を行い、世界の若者の環境運動に火を付けたトゥンベリさんは最初に演説したが、他の人にもっと多くの時間を与えたいとして手短に終わらせた。トゥンベリさんは、国連気候行動サミットでも演説する予定。(c)AFP/Issam AHMED