【9月20日 AFP】米当局は19日、韓国の漁船が違法操業を行ったとして、「米韓自由貿易協定(FTA、通称KORUS)」の環境条項に基づき初めて韓国に苦情を申し立てた。

 米通商代表部(USTR)は、KORUSの条項に基づき、韓国側に環境に関する協議を求めていく考えだという。

 USTRは韓国を名指しで非難する政府報告書に言及し、韓国政府が「環境保護および管理対策に違反した漁業」の阻止を怠ったと明らかにした。

 米海洋漁業局(US National Marine Fisheries Service)も定期報告書の中で同日、2017年末、国際条約により南極海の漁場閉鎖が通知されたにもかかわらず、韓国の漁船2隻が違法操業していたと報告している。

 報告書によると、韓国当局は違法操業していた漁船を即時帰港させ、一時操業停止処分とする一方、罰金は科さず、違法操業による漁獲の押収も行わなかった。さらに、国際法違反の証拠はないとして漁船は不起訴とされた。韓国の国内法には漁船の違法操業による経済的利益を取り締まる是正手段が存在しないという。

 韓国側は米国との協議で、国内法を修正する必要性は認識していると述べ、改正を進めていると説明したという。(c)AFP