【9月13日 AFP】米司法省は12日、2001年9月11日の米同時多発攻撃を実行した国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーらとつながりがあったとされるサウジアラビア当局者1人の氏名を公表する方針を示した。

 米連邦捜査局(FBI)と司法省は、同時多発攻撃の犠牲者の遺族からの長年の要求に応え、「この件の特殊な状況を踏まえて」サウジ当局者の氏名の機密扱いを解除することを決定した。

 サウジ政府はアルカイダとの関与を繰り返し否定しており、アルカイダとつながっていたとされる同国当局者の名前が公表されれば、莫大(ばくだい)な賠償金請求に直面することになる。

 氏名が公表される予定の人物は、同時多発攻撃に関するFBIの報告書に記されているサウジ当局者3人のうちの1人で、米国入りした複数の実行犯を支援したとみられている。

 この人物はサウジ王室の関係者であるともうわさされている。しかし、事件後に米国とサウジの両政府が中東と南アジアにおけるアルカイダ系組織の根絶を目指して密接に連携する中、その名前は機密扱いとされてきた。

 司法省は「FBIは、遺族らが自分たちの家族に何が起きたのかを知ることと、犯人に責任を取らせることを必要とし、望んでいることを認識している」と述べた。ただ、氏名の公表時期は明らかにせず、まずは裁判所に提出する予定だという。

 しかし同省は、この人物はアルカイダの首謀者らとは関与していなかったとの見方を示し、「この人物に関する情報は、FBIが当時追跡していた捜査見解に言及しており、客観的な事実を述べるものではない」と説明した。(c)AFP