【9月12日 AFP】米カリフォルニア州を拠点とするキリスト教会が、路上生活者らを監禁して週6日の物乞いを強要し、福祉給付金を詐取していたとして、連邦司法当局に摘発された。

【写真】米LAでホームレスの人たちにクリスマスの食事が振る舞われる様子(2017年12月)

 この教会は、特定教派に属さない「インペリアル・バレー・ミニストリーズ(Imperial Valley Ministries)」で、米国とメキシコに約30支部を持つ。連邦司法当局は10日、元牧師ビクトル・ゴンザレス(Victor Gonzalez)容疑者ら教会の指導者12人を、共謀、強制労働、身分証明書の没収、給付金詐欺を行った疑いで逮捕した。

 当局によるとインペリアル・バレー・ミニストリーズは薬物依存者の「立ち直り」支援を掲げており、食事や住まい、金銭的援助を無償提供すると約束して、2013年から被害者を勧誘していた。

 最終的には自宅に帰れると言われて誘いに乗った被害者らは、鍵の付いたグループホームに閉じ込められ、逃げられないよう身分証明書を取り上げられた上で、生活保護給付金を巻き上げられていたとされる。

 被害者らは厳格なルールを必ず守るよう要求され、聖書以外の読書や「俗世」に関して話すことを禁じられた。週6日、1日当たり9時間の物乞いを強要され、逃げたら子供を連れ去ると脅迫された人もいたという。

 訴状によれば、被害者2人が脱出に成功し、このうち窓を割って逃走した17歳の被害者が隣家に駆け込んで警察に通報した。もう一人は糖尿病の女性で、治療を受けさせてもらえずにいた疑いがあるという。(c)AFP