【9月7日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は6日、ツイッター(Twitter)に「中国は関税を食らっている」と投稿し、長引く米中貿易戦争による損失は、中国側に直接影響を及ぼしていると主張した。

 一方、政権の経済政策の司令塔であるラリー・クドロー(Larry Kudlow)国家経済会議(NEC)委員長は、両国間の争いは長い年月に及びかねないと警告している。

 米中の通商協議は滞っているが、両国当局によると、9月末の準備会合を経て、双方の交渉トップが10月初めに米ワシントンで協議を再開する予定。

 トランプ大統領はツイッターで、関税の引き上げによって、米政府は自国輸入業者にコストを転嫁することなく、中国から多額の収入を得られるとの従来の主張を繰り返した。さらに同大統領は「中国は過去数十年で最悪の1年を過ごしている。交渉が行われる。全員にとって良いことだ!」と続けた。

 しかしクドロー委員長は、貿易戦争は1980年代のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)政権下での冷戦に似た長期的な争いになりかねないと警告。記者団に対し、「高いリスクがあるため、正しくやらなければならない。10年かかるなら、そうしよう」と述べた。

 さらに同委員長は、「すべてではないが、私は冷戦の多くを体験した。冷戦では、旧ソビエト連邦との間で望んだ決着をつけるのに、何十年もかかっただろう」と続けた。

 トランプ大統領はこれまで、中国政府は米国からの関税と国内経済の減速により、取引に応じざるを得なくなると繰り返し主張してきた。しかし米経済でも、貿易戦争が重荷となり始めていることを示す動きが出ている。

 企業の財務報告は、報復措置や全体的な不確実性によって米企業が打撃を受けていることを示唆している。また、再就職支援企業チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス(Challenger, Gray & Christmas)が今週発表した報告によれば、「貿易関連の困難」の影響による解雇は8月単月で1万件を超えた。(c)AFP