【9月6日 AFP】北朝鮮が、国連(UN)の支援は政治化されていると主張し、関与削減を求めていることが分かった。ステファン・ドゥジャリク(Stephane Dujarric)国連事務総長報道官が6日、定例記者会見で明らかにした。国連は支援レベルをめぐって北朝鮮と交渉中だという。

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 ドゥジャリク氏によると北朝鮮は先月、書簡で国連支援の削減を求めてきたという。詳細は明らかにしなかったが、AFPが確認した書簡の内容は、年末までに支援を削減するよう要求している。

 書簡の中で北朝鮮の高官キム・チャンミン(Kim Chang Min)氏は、「敵対勢力が国連支援を政治化しているため、国連の支援事業は期待された結果を出せていない」と主張。「特に近年、北朝鮮における国連支援は著しく縮小され、物資の遅配が深刻化し、国連事業の全体的な実施に重大な影響を及ぼしている」と述べている。

 ドゥジャリク氏は「現状でも、現場で国連の活動を担う人員は足りていない」と指摘。「現状の対応能力を維持することが、決定的に重要な食料安全保障、水、栄養プログラム計画、資源調達への国連支援を確実に継続するためには不可欠だ」と述べた。

 北朝鮮では世界食糧計画(WFP)、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)といった国連機関のスタッフ数十人が活動している。国連によると、北朝鮮は慢性的な食料不足に陥っており、2018年の農作物の収穫高は過去10年で最悪を記録した。(c)AFP