【9月5日 AFP】イタリア・セリエA、インテル(Inter Milan)の過激派サポーター団体は4日、FWロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)へのメッセージをSNSで公開し、ファンによる試合中のモンキーチャント(猿の鳴きまね)は人種差別ではないと主張した。

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)から6500万ユーロ(約76億円)の移籍金で加入したルカクは、1日に行われたカリアリ(Cagliari Calcio)とのアウェーゲームでモンキーチャントの標的となった。

 インテルが2-1で勝利したこの一戦では、ルカクがPKの準備を行っていると、カリアリファンがいるエリアから数秒間にわたって人種差別的なチャントが飛んだ。26歳のルカクはスタンドに怒りのまなざしを向けた後、自信を持って今季2ゴール目となるPKを成功させると、すぐにチームメートに囲まれた。

 しかし、インテルのサポーター団体であるルーロ・デラ・ノルド(L’Urlo della Nord)は、フェイスブック(Facebook)にメッセージを投稿し、ルカクが体験したのは人種差別ではないと主張している。

「やあ、ロメルー。あなたがカリアリで起きたことを人種差別だと考えたのは本当に残念だ」「イタリアは人種差別がリアルな問題となっている他の北欧の国々とは違うということを理解してもらわないといけない。あなたが今回の件を人種差別のように感じたことは理解できるが、実際にはそういった類いのものではない」

「イタリアでは『チームを援護する』ためだけにさまざまな『手段』が使われる。それは相手をナーバスにさせるためのものであり、人種差別ではなく相手をかく乱するのが目的」

「われわれは多民族で構成されたサポーター団体であり、常に世界中の選手を歓迎している。しかし、われわれは他チームの選手に対し、そうした『手段』をずっと使ってきたし、おそらくこれからも同じことをするだろう」「われわれは人種差別主義者ではないし、カリアリのファンもそうではない」

 ルーロ・デロ・ノルドは本拠地サン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)の北スタンドに陣取る過激派サポーターグループの一つだが、クラブから正式に認められた団体ではない。

 開幕2連勝のインテルは、王者ユベントス(Juventus)を抑えて現在首位に立っている。(c)AFP