【9月11日 CNS】先ごろ、「健康中国行動委員会」の記者会見で、職業病防止活動の中で、頸椎(けいつい)症、肩関節周囲炎、腰背痛、骨増殖症、座骨神経痛を労働者が予防すべき疾病として指定するとの情報が伝えられた。中国疾病予防制御センターの孫新(Sun Xin)副所長によると、現在これらの職業病ではない疾病について「将来的には法定職業病とされるかもしれない」という。

■高発病率でも職業病指定には異論あり

 仕事のやり方の変化に伴い、今は長時間座って仕事をする人が多くなっている。これに伴い、頸椎症、肩関節周囲炎、座骨神経痛などの発病率が高まっており、若年化が進行中だ。「サラリーマン10人のうち9人が頸椎症」ともいわれている。

 現在、中国の「職業病分類目録」には10大類132種の疾病が記載されている。10大類には、職業性じん肺病およびその他呼吸系統疾病、職業性皮膚病、職業性眼病などが含まれるが、頸椎症などは職業病と見なされず、現状では中国の法定職業病ではない。

 職業病として指定を受ける可能性について、専門家によると、中国の「公傷保険条例(注:労災に関する法律)」の規定では、職業病に指定されれば自動的に公傷(労災)扱いとなり、一般労働者は公傷保険によって補償される。1種の疾病を職業病とするかどうかの判断は、同疾病の具体的な特徴を見なければならないとしている。ある種の職業に携わる労働者の仕事をする時の姿勢や状態と疾病発生の関連性・必然性などがポイントとなる。

■患者は拡大中、宅配便ライダーもハイリスク対象者

 北京清華長庚医院(Beijing Tsinghua Changgung Hospital)の宋飛(Song Fei)副主任医師によると、「首や肩や腰の疾病や骨増殖症を患う人は増えている」という。以前であれば、重労働者にしか見られなかった疾病が、生活様式の変化などにより、頭脳労働者や青少年にも多く見られるようになっている。

 この種の疾病にかかりやすい職業について、宋医師は「まず労働強度の高い職業、特に腰をかがめて作業をする職種は腰椎への負担が大きいので、今でも最大の患者群だ。現在は、伝統的な産業労働者以外に、物流業の発展に伴い、宅配便のライダーらもハイリスクな対象者となっている」という。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News