【9月2日 AFP】 ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(Pope Francis、82)は、「被造物を大切にする世界祈願日」を迎えた1日、気候変動をテーマに世界中の人々に向けたメッセージを発信し、気候変動の進行を阻止するため各人が日々の習慣を改め、「手遅れになる前に」各国首脳に圧力をかけるよう呼び掛けた。

 このメッセージで法王は「われわれは、自らをも含む自然と生命を深刻に脅かす気候非常事態を生み出してしまった」と指摘。

「自身のライフスタイルや、食べ物や消費、移動、水やエネルギー、その他多くの物の使い方に関するわれわれの日々の選択が、いかに無謀で有害かということを真剣に考えるべき時が来た」という見方を示した。

 長きにわたり環境保護を訴えてきた法王は、今回の呼び掛けは「人類家族の全員」に向けたものだと語り、「変わること、そしてよりシンプルで思いやりのあるライフスタイルに切り替えることを選ぼう」と記した。

 アルゼンチン出身の法王は、世界の気温を危険なレベルにまで押し上げている、恒常的な環境汚染、化石燃料の絶え間ない使用、集約農業による搾取、森林伐採を批判。

 さらに、米ニューヨークで23日に開催される国連気候行動サミット(UN Climate Action Summit)に世界中が注目するだろうと述べた法王は、各国政府に対し、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」にのっとり、「温室効果ガス排出ゼロを達成し、気温上昇を1.5度までに制限するための措置の適用速度を劇的に速めようとする政治的意志」を示すよう促した。(c)AFP