【9月1日 AFP】英国各地で8月31日、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)期限直前の10月半ばまで議会を閉会すると宣言したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相に対する抗議デモが行われた。

 最大のデモとなったのは、ロンドン・ダウニング街(Downing Street)の首相官邸前で行われたもので、数千人が笛を吹いたり、太鼓をたたいたり、「ボリス・ジョンソン、恥を知れ!」とシュプレヒコールを上げたりした。

 野党は今週、9月半ばからの議会閉会阻止を求める訴えを起こし、合意なきEU離脱の禁止の法制化を求める構えをみせている。

 保守党党首選を経て7月に首相に就任したばかりのジョンソン氏は、合意の有無にかかわらず英国は10月31日にEUを離脱すると公約してきた。議会閉会は、団結してジョンソン氏に抵抗するための時間を野党に与えないためのものと広く受け止められている。

 ロンドンのデモでは、官庁街ホワイトホール(Whitehall)に設営されたステージに上がった野党政治家らがスピーチをした後、英議会議事堂のあるウェストミンスター(Westminster)地区を行進した。

 中には、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が政権を掌握した年に言及した「英国よ目を覚ませ! さもなくば1933年のドイツへようこそ」と書かれた手書きのプラカードを持った人も見られた。

「#StopTheCoup(クーデター阻止)」というスローガンを打ち出した主催者の発表によると、ロンドンのデモには10万人が参加した。

 一部の参加者は道路を封鎖し、ロンドン警視庁(Metropolitan Police ServiceScotland Yard)によると、デモで3人が逮捕された。

 デモは、イングランドの南西部エクセター(Exeter)や中部オックスフォード(Oxford)から北部のマンチェスター(Manchester)、ヨーク(York)、ニューカッスル(Newcastle)、スコットランドのグラスゴーとエディンバラ、北アイルランドの中心都市ベルファストまで、英国各地で行われた。(c)AFP/Dario THUBURN