【8月30日 AFP】イエメン暫定政権のムハンマド・ハドラミ(Mohammad al-Hadhrami)副外相は29日、臨時首都としている同国南部アデン(Aden)などの政権軍に対し、アラブ首長国連邦(UAE)が空爆を開始したとしてツイッター(Twitter)への投稿で非難した。

 UAEはサウジアラビアが主導する連合軍の主要参加国として、イスラム教シーア派(Shiite)系反政府組織フーシ派(Huthi)との戦いでイエメン暫定政権を支援する一方で、イエメン南部の分離独立派に訓練と支援を行っている。

 ハドラミ氏はツイートで、アデンと南部アビヤン(Abyan)州の州都ジンジバル(Zinjibar)の政権軍に対するUAEの空爆で、民間人と軍関係者に死傷者が出たと非難。さらにサウジに対し、「正統な政府を支持し、この違法で不当な軍事行動の拡大を阻止する」よう求めた。現時点ではUAEもサウジも、ハドラミ氏のツイートに反応を示していない。

 イエメン暫定政権のムアンマル・イリヤニ(Moammer al-Eryani)情報相は29日、UAEによるものとみられる空爆で戦闘員40人が死亡、民間人70人が負傷したとツイートした。

 アデンの住民はAFPに対し、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定大統領側の部隊がアデンに入った28日夜に空爆の音が聞こえたと語った。

 アデンは今月10日、南部独立派に一時占拠されたが、その後、暫定政権側が奪還したと発表した。しかし、イエメン南部の独立を目指す「南部暫定評議会(STC)」は29日、AFPに対し、UAEの支援を受けるSTC側の民兵組織「セキュリティーベルト隊(Security Belt Force)」が再びアデンを完全制圧したと主張。

 暫定政権の治安筋も、アデンがSTC系武装勢力の完全な支配下に置かれたことを認め、28日にアデン入りした部隊はアビヤン州に撤退したと明らかにした。

 両勢力筋が29日に明らかにしたところによると、暫定政権側がアビヤン州に撤退した後、ジンジバルで衝突が起きたという。ジンジバルはアデンから約100キロの位置にある。(c)AFP