【8月29日 AFP】世界保健機関(WHO)は29日、欧州で麻疹(はしか)の感染者数が激増しており、英国、ギリシャ、チェコ、アルバニアの4か国は昨年のデータに基づけば、もはや「麻疹排除国」とはみなせないと警告した。各国に予防接種の徹底を呼び掛けている。

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 WHOは、「全てのコミュニティーで高い予防接種率を達成・維持できなければ、子どもも大人も不要に苦しみ、幾人かは悲惨な死を遂げることになる」と警告している。

 WHOによると欧州48か国では、2019年1~6月に8万9994件のはしか感染が報告された。これは昨年同期の4万4175件の2倍以上で、昨年1年間の8万4462件を既に超えている。

 WHOの基準では、ある特定の地域内ではしかの伝播(でんぱ)が12か月以上確認されなければ、その地域ではしかが「排除」されたと認定される。

 英国では2018年に953件の感染報告があり、今年は6月までに489件の感染が確認された。ギリシャでは昨年1年間の感染件数が2193件で、今年1~6月は28件。アルバニアは同時期の感染件数がそれぞれ1466件と47件で、チェコは217件と569件だった。

 はしかは非常に高い感染力を持つが、ワクチンを2回接種すれば予防できる。しかし、WHOはこのところ予防接種率の低下に警鐘を鳴らしている。(c)AFP / Camille BAS-WOHLERT, with Agnes PEDRERO in Geneva