【8月29日 AFP】レバノン南部で28日、軍がイスラエルの無人機(ドローン)に発砲する騒ぎがあった。レバノン軍によると夕方、領空侵犯してきたドローン3機のうち2機に向けて発砲。3機は国境を越えてイスラエル側に戻ったという。

 レバノンとイスラエルの国境付近では、イスラエルのものとみられるドローンをめぐって先週末から緊張が高まっている。レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)政党・武装組織ヒズボラ(Hezbollah)は、首都ベイルートにある拠点が25日にイスラエルのドローン攻撃を受けたと非難。レバノン政府も27日、「あらゆる手段」で国を防衛する権利が自国にはあると強調していた。

 レバノン軍情報筋はAFPの取材に、「南レバノン(South Lebanon)県アディーサ(Al-Adeesa)にあるレバノン軍の拠点でドローン1機が目撃された。軍はドローンに発砲し、ドローンは(イスラエル側に)戻った」と語った。軍には、レバノン領内でのイスラエルの活動に対しては直ちに発砲するよう指示が出ていたという。

 さらに、レバノンの国営通信NNAを通じて発表された声明によると、アディーサではその後もう1機のドローンに軍が再び発砲。また、その近くをドローン1機が飛行した後、イスラエル方面へ戻る様子が目撃された。

 NNAによれば、国境に沿って数十キロ南下したマルワヒン(Marwaheen)でも、4機目のドローンの目撃情報があった。

 イスラエル軍は、ドローンが「作戦を完了」し、無傷で帰還したと述べている。(c)AFP/Rouba El Husseini with Alice Hackman