【8月29日 AFP】米アップル(Apple)は28日、同社製スマートフォンなどに搭載されている音声アシスタント機能「シリ(Siri)」が聞き取った利用者の発話の一部を、品質管理業務の委託先と共有していたことを謝罪し、シリと利用者の会話から生じたデータの取り扱いに関する新たな規定を公表した。

 新規定では、音声認識技術の改善を目的とした「シリ評価」プログラムへの参加を選択した利用者の音声に限り、アップル従業員による聞き取りが認められる。また、初期設定では、プログラムに使われる音声データを削除する。ただし、ソフトウエアが利用者の言葉や意図を理解する能力を高める目的で、コンピューターによってテキスト化された会話データの利用は継続する。

 アップルは自社ウェブサイトで「われわれは、自らが掲げる高い理想を十分に実践していないことを認識し、そのことを謝罪する」と表明した。

 同社は、医療関係の機密情報や、違法取り引き、さらには性的行為の音声データを委託先が聴取していることが報じられた後、シリ評価プログラムを停止した。

 デジタル・アシスタント機器をめぐっては、人工知能(AI)のソフトウエア改善のため請負業者に利用者の会話音声を「聴取」させていたとみられる企業が複数あり、アップルもその1社だった。(c)AFP