【8月28日 AFP】ラオス北部の人里離れた土地でツキノワグマの子ども5匹が救出され、子グマは保護区で健康を回復した。NGOの「フリー・ザ・ベアーズ(Free the Bears)」が26日発表した。1日で救出したクマの数としてはNGOの24年の歴史で最高だという。

 アジア各地では、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種とされている数千頭のツキノワグマがペットとしておりで飼われたり、伝統薬のため胆汁を採取されたりしている。

 このNGOはラオス警察と協力し先週、中国との国境に近いルアンナムター(Luang Namtha)県内にある竹の製紙工場とキャッサバ農場、個人宅の3か所を調べた。

 NGOの広報担当者はAFPの取材に対し、子グマは餌として主にかゆを与えられていたため弱って栄養失調状態だったが今は「経過良好」で、「(子グマは)最初の1日、2日はえり好みしてミルクを受け付けなかったが、今は完全に順応している」と述べた。

 飼い主は全員、クマを村人から購入したと主張しているが、ラオスでは現在、ツキノワグマの飼育および体の部位の売買・胆汁の採取は違法とされている。

 ラオスとベトナムの野生動物当局は、切開を伴う痛ましい胆汁採取の慣習を取り締まってきたが、クマの飼育農場は根強く残っている。

 映像前半は19日、後半は22日撮影。(c)AFP