【8月28日 AFP】南米のアマゾン(Amazon)熱帯雨林で森林火災が続いている問題で、ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は27日、先進7か国(G7)による消火活動への支援を協議する条件として、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が自身への「侮辱を撤回」することを要求した。

 アマゾンの森林火災は近年最悪の規模となっており、国際社会からの批判を集めている。ボルソナロとマクロンの両大統領は火災をめぐり非難の応酬を続けてきた。一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は27日、ボルソナロ氏の対応を擁護し、同氏が「素晴らしい仕事をしている」とツイッター(Twitter)に投稿。「完全かつ完璧な」米国の支援を約束した。

 ボルソナロ氏の発言に先立ち、ブラジルの政府高官は同国とボリビアでの消火活動費用としてG7が申し出た2000万ドル(約21億円)の支援を拒否。マクロン氏に対し「自国とその植民地」の面倒を見るべきだと述べていた。

 ボルソナロ氏は首都ブラジリアで記者団に対し、「マクロン氏は私に対する侮辱を撤回しなければならない」と明言。「フランスからのものを協議したり受け入れたりするには、彼は可能な限りの善意を持ってこれらの言葉を撤回しなければならない。そこからわれわれは話し合える」と述べた。

 ボルソナロ、マクロン両氏はここ1週間にわたり対立を繰り返している。マクロン氏は、ボルソナロ氏が気候変動対策の確約についてうそをついたと非難し、ブラジルも加盟している南米の関税同盟、南部共同市場(メルコスル、MERCOSUR)と欧州連合(EU)の自由貿易協定を阻止する意向を表明。

 またマクロン氏は26日、自身の妻ブリジット(Brigitte Macron)夫人がボルソナロ氏の妻ミシェル(Michelle Bolsonaro)夫人ほど魅力的でないことをほのめかすフェイスブック(Facebook)投稿に対し、ボルソナロ氏が個人的な賛同の意を示したことを受け、「極めて無礼」と非難していた。(c)AFP