【8月27日 AFP】先進7か国(G7)は、南米アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で猛威を振るっている森林火災の消火活動に、2000万ドル(約21億円)を支援する。空中消火に必要な航空機の調達などに使われる。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領とチリのセバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領が26日、明らかにした。

 マクロン大統領は「今日も燃え続けているアマゾンの森林の要請に応じなければならない」と述べた。仏南西部ビアリッツ(Biarritz)で開かれたG7首脳会議(サミット)にゲスト参加したチリのピニェラ大統領も「アマゾン一帯の諸国は消防隊や消防飛行機を切実に必要としている」と訴えた。

 マクロン氏はアマゾンの森林火災の状況を「国際的な危機」と捉え、G7ビアリッツ・サミットで優先議題に位置付けた。

 マクロン氏は、森林伐採と採掘によって急速に縮小しているアマゾンを保護するために、気候変動懐疑論者であるブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が真剣な措置を講じなければ、欧州連合(EU)と南米諸国の間で計画されている大型貿易協定を阻止するとけん制もしている。

 ボルソナロ大統領はマクロン氏のこうした批判に反撃し、自らを陥れるためにNGOがアマゾンに火を放っているといった根拠のない主張を行っていたが、先週末には国際社会の圧力に屈し、アマゾン火災の消火活動に軍の出動を認めた。

 G7サミットではまた、9月の国連(UN)総会で討議される予定のアマゾンの森林再生計画を支持することも合意された。国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、アマゾンの熱帯雨林は万人の生活に欠かせない世界共通の遺産であり、森林の保存には新たな植林が必要だと述べた。(c)AFP