【8月26日 AFP】男子テニス界では多くの若手選手が「ビッグ3」の牙城を崩そうとしている中、26日に開幕する四大大会(グランドスラム)の今季最終戦、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)では依然としてノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が優勝候補に挙げられている。

 大会第1シードのジョコビッチ、第2シードのナダル、第3シードのフェデラーの3人は、直近11のグランドスラム大会でタイトルを占めているほか、ここ65大会でも合わせて54回の優勝を記録している。

 グランドスラム通算20勝を誇る38歳のフェデラーは、自分を含めた年長者3人が圧倒的な強さを発揮していることには何の問題もないという認識を示し、「問題だとは思わない」「今はノバクもラファも自分も健康を取り戻している。アンディ(・マレー<Andy Murray、英国>)も徐々に戻ってきていて、若手選手の台頭を難しくしている」と語った。

「若手選手がトップへの扉をたたいているのは確かだ。他の選手が勝つのを見たい人々にとって、それは非常にうれしいことだろう。ノバクやラファがトップに君臨し続けているのも、テニス界にとっては尋常なことではない」

 フェデラーはまた、「ビッグ3」が君臨する時代にマレーと同じくグランドスラム3勝を記録している同胞のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka)にも優勝のチャンスはあるとする一方で、今年の全米オープンでトロフィーを掲げるのはおなじみの顔になるだろうと予想している。

「そうだね、今年もまた同じ顔ぶれが優勝候補と目されているようだ」「他の選手が優勝したら驚きだろう」

 前回覇者で、今回はグランドスラム17勝目を目指す32歳のジョコビッチは、ナダルが制した6月の全仏オープンテニス(French Open 2019)を除き、グランドスラムでは直近5大会で4勝を記録している。また、ここ数年はグランドスラムを連覇するという特別な重圧にも慣れたといい、「グランドスラムで連覇するのは、最大のチャレンジだ」「最も優勝したい大会であり、誰もがそこで輝きたいんだ」と語った。

 一方、33歳のナダルは今シーズン、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2019)、全仏オープン、ロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2019)で優勝。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)では準決勝でフェデラーに敗れたが、「大きな大会では良い気分で来ることが力になる」「ポジティブな気持ちだし、前向きな思い出が頭にある。それが自信につながるんだ」と話すなど、状態の良さをアピールしている。

 今年の全仏オープンで12回目の優勝を飾り、グランドスラム通算18勝目を記録したナダルは、今大会ではフェデラーとジョコビッチとは反対側のドローに入っているが、そのことに浮かれすぎる様子はなく、「自分が有利かどうか判断するまでには、やることがたくさんある」と気を引き締めていた。