【8月20日 AFP】シリア情勢をめぐり同国とトルコの緊張が高まる中、トルコ軍の車列が19日、国境を越えてシリア北西部イドリブ(Idlib)県に入り、シリア政権側部隊による爆撃で足止めを受けた。

 シリア反体制派を支援するトルコは、自国部隊が空爆の標的にされたと主張。一方、シリア政府は、トルコの部隊が「テロリスト」を支援していると非難した。

 イドリブ県では現在、ロシアが支援する政権側部隊が、イスラム過激派と反体制派から要衝の町の支配を奪うため戦闘を行っている。トルコ軍の車列は同県に入った後、この町に向かっていた。

 トルコは、車列に対する空爆で民間人3人が死亡したと主張。一方、観測筋は、ロシアの空爆により周辺で反体制派3人が死亡したと報告した。

 シリア内戦は開始から8年が経過し、イスラム過激派が支配する北西部の対トルコ国境地帯が反体制派最後の主要拠点となっている。

 イドリブ県には約300万人の住民がいる。トルコとロシアが昨年、一帯に緩衝地帯を設置することで合意し、イドリブ県は保護される見通しとなったが、シリア政府とロシアの部隊は4月下旬から同県への空爆を強化。多数の死者が出ている。(c)AFP/Omar Haj Kadour with Layal Abou Rahal in Beirut