【8月22日 東方新報】「博愛行仁」「天下為公」を座右の銘とした中国革命の父・孫文(Sun Yat-sen、孫中山)と、その妻で福祉活動家として女性や子供の福利に尽力した宋慶齢(Soong Ching Ling)にゆかりのある地の記念館や施関係者が一堂に会する第31回孫中山宋慶齢(孫宋)記念地聯席会が11日、江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)で開幕した。

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 北京、上海、南京、広州(Guangzhou)およびマレーシア、日本、シンガポールなど国内外の数十におよぶ孫中山宋慶齢関連施の責任者が出席し、孫中山の子孫や孫宋文化史料研究学者らを交えて、孫宋史跡の保護状況や孫宋精神の継承の現状について討論し、南京中山陵や総統府を参観した。

 孫中山宋慶齢記念地聯席会とは、もと名を孫中山宋慶齢記念地聯誼会といい、1989年5月に発足。国内外の孫文ゆかりの各地で持ち回りで開催されてきた。今回は、中山陵園管理局孫中山記念館と南京中国近代史遺跡博物館の共同主催で行われた。

 聯席会には孫中山の子孫として、中山文化基金会の孫雅麗(Sun Yeali)事務局長も出席。「最近、孫宋記念の地を自分で巡っていますが、非常によく保存され、同時に関連の機構が孫中山と宋慶齢の博愛人文の精神を継承し宣伝してくれていることに、とても感動しています」とあいさつした。中山文化基金会は2016年の孫中山生誕150周年を記念し、孫文の博愛精神と中華伝統文化を国内外に広めるために設立された。同基金会は、世界中の多くの映画祭において、孫中山博愛賞をつくり、博愛人文精神をもって社会にポジティブな影響力を与える優秀な映画および若手映画人を支持し、奨励している。

 また、マレーシアの孫中山ペナン基地記念館の責任者、呉美潤(Wu Meirun)さんは、同館が長年国際青少年平和交流を促進するために努力してきたことに触れ、「私たちは国内外の参観者に孫中山とマレーシアの先賢たちの物語だけでなく、マレーシアの古代建築とプラナカン文化の源流についても紹介し、同時に中国から来た教師や学生に向けて海外華僑が中国発展に貢献してきた努力と苦労についても説明しています。2011年からは、記念館と中国宋慶齢基金会が共催で、中国とマレーシアの青少年文化交流イベントを数多く開いてきました。これは両国の歴史的うんちくに満ちた交流プラットフォームとなっています」などと活動を報告した。

 孫中山宋慶齢文物管理委員会の蘇敏(Su Min)副主任は「当委員会は時間と競争しながら、急いで、孫中山と宋慶齢の親族・友人たちから、散逸しそうな文献文物や口述史などを集める『救済プロジェクト』、宋慶齢が創設した中国福利会の眠っていた史料を発掘する『目覚ましプロジェクト』、海外史料文物を収集する『返還プロジェクト』を展開しています。集めた文献史料、文物をデジタル化して整理し、孫宋文献データバンクとしてネット上でのシェアを進めています」と取り組みを紹介した。

 聯席会の席上、出席者たちは孫宋記念地をさらに保護し、孫中山、宋慶齢の博愛人文精神のつながりをさらに世界に広げていくことで一致した。(c)東方新報/AFPBB News