【8月17日 AFP】パレスチナ系米国人のラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)下院議員は16日、イスラエルの占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)に住む祖母の訪問を中止すると表明した。イスラエルは訪問を制約付きで認めていたが、タリーブ議員はこの制約が圧制的であるとして、同国の申し出を拒絶した。

 イスラエルは15日、米議会選でイスラム教徒女性として初の当選を果たしたタリーブ氏とイルハン・オマル(Ilhan Omar)氏について、同国に対するボイコット運動を支持していることを理由に入国を拒否。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はこれに先立ち、民主党に所属する両議員の入国を阻止するようイスラエルに対し呼び掛けていた。

 だがイスラエルはその後、丸め込みに転じ、同国に対するボイコットを訴えないことなどを条件に、タリーブ議員が高齢の祖母を個人的に訪問することを許可していた。

 タリーブ議員は当初、「これは祖母に会える最後の機会となるかもしれない。私はいかなる制約も尊重し、訪問中はイスラエルに対するボイコットを呼び掛けない」と表明。イスラエルのアリエ・デリ(Aryeh Deri)内相は16日、タリーブ議員が「人道的訪問」を許可されたと発表したが、タリーブ議員はその数時間後に変心を表明した。

 タリーブ議員はツイッター(Twitter)に「このような圧制的な条件の下で祖母を訪ねることは、私が信じるすべてのもの──人種差別、圧制、偏見との闘いに反するものだと判断した」と投稿。「私を沈黙させ、犯罪者のように扱う行為は、祖母が私に望むものではない。私の一部を殺してしまう」と述べた。(c)AFP/Guillaume LAVALLÉE