【8月14日 AFP】スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)は14日、9月に米ニューヨークで開かれる国連(UN)会合に出席するため、排出物ゼロのヨットで英プリマス(Plymouth)を出航する。

 気候変動に対する政府の怠慢に抗議する学校ストライキで世界的な運動を巻き起こしたトゥンベリさんは、二酸化炭素を排出するという理由から飛行機の利用を拒否している。

 そんなトゥンベリさんは良心の呵責(かしゃく)なく国連会合に参加できるよう、父のスバンテ(Svante)さんと旅路を記録するドキュメンタリー作家と一緒にレース用ヨットでニューヨークに向かうことを提案された。

 マリツィアII号(Malizia II)と名付けられたヨットは全長18メートルで、デッキには最先端の太陽光パネルを備える。モナコ・ヨットクラブ(Monaco Yacht Club)副会長でモナコ公家の一員であるピエール・カシラギ(Pierre Casiraghi)氏と、世界一周を達成したことがあるドイツ人のボリス・ヘルマン(Boris Herrmann)氏がかじを取る。

 プリマスからニューヨークまでの航海はおよそ2週間。ヨットは時速70キロで航行可能だが、ほとんどは向かい風の中を進むためそこまでの速度は出ない。

 プリマスの港で最後の準備を進めていたヘルマン氏は、快適な乗り心地を求めているとした上で「目的は無事にニューヨークに到着すること」とAFPに語った。

 トゥンベリさんは航海を経験したことはない。12日に初めて船に乗った際には酔ってしまったものの、海の旅を楽しみにしているという。(c)AFP / Alice RITCHIE