【8月13日 AFP】ボクシング、アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)とアンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)のダイレクトリマッチをサウジアラビアで開催する決定が物議を醸したのを受け、プロモーターのエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏は12日、今回の世界ヘビー級タイトルマッチを同国で行うことは「ボクシング界を永遠に変え得る」と述べた。

 6月に米ニューヨークでルイスに敗れ、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級のタイトルを失ったジョシュアは、12月7日の再戦で雪辱を目指している。

 しかし、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、サウジアラビアの人権問題やジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害された事件、イエメンでの戦争を挙げながら、会場に同国を選んだ今回の決断を非難している。

 会場の候補には英ウェールズのカーディフ(Cardiff)も挙がっていたが、ハーン氏はサウジアラビアで行われた他の人気スポーツの例を挙げながら、今回の決定の正当性を主張。また、サウジアラビアでの開催はボクシングの人気を高め、新規ファンの獲得につながるかもしれないと続けた。

 ハーン氏は英ロンドンで行われた記者会見で、「われわれはカーディフやマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)の外に世界があるということに気づかなければならない。この試合はボクシング界を永遠に変え得る。皆さんはボクシングの歴史における大きな変化を目にすることになるかもしれない」と話した。

「そこ(サウジアラビア)は変化の時を迎えている。そして彼らはスポーツを通じて変化を起こそうとしている」「人々はサウジアラビアには入国できないとか、女性は歓迎されないとか考えるが、男性も女性もウェルカムだ。チケットを購入すれば、ビザは自動的についてくる。6時間で行けるしね」

 ハーン氏はまた、今日では多くのスポーツ団体がサウジアラビアを会場に選んでいるため、ボクシングを批判するのは不公平だと主張。「われわれより前に行われたフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)や欧州ゴルフ男子ツアー(PGA European Tour)、イタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup)、WWEといったイベントのことを考えてほしい。ボクシングにとって象徴的な瞬間になるだろう」と続けた。

 中立地での開催は、英国での対戦を望まないルイス側の要求だった。ジョシュアとルイスの再戦は、首都リヤド近郊のディルイーヤ(Diriyah)で行われる。(c)AFP