【8月20日 東方新報】マカオ(Macau)特別行政長官選挙が8月25日に行われる。選挙委員会400人のうち379人の指名を受け立候補している賀一誠(Ho Iat Seng)氏が選挙をするまでもなく当選確実だ。

 62歳の賀一誠氏は2000年からマカオ地区の全国人民代表を歴任しており、2013年から立法会(マカオ議会)の議長も務めてきたが、行政長官選挙出馬のために6月に辞任。2009年から何度も長官選挙候補出馬の噂があったが、本人はこれを否定してきた。今回出馬を決意したのは、香港で激しいデモが継続する中、マカオ情勢を安定させたい思いがあると言われる。賀氏は父親が電器会社を創業、中国経済と深くかかわっており、目下マカオで最も中国の政財界と安定した関係を築いている一人だ。

 行政長官選に立候補するにはまず、各界代表で構成する選挙委員会(定数400)の66人以上の委員の推薦が必要とされる。

 一方、今年12月で任期を終える崔世安(Fernando Chui Sai On)・現特別行政長官は4日、マカオの中国返還20周年および建国70周年記念の為「新時代同心行」学習活動と「私と私の祖国」テーマ会の二つの記念イベントに参加。マカオ青年たちに祖国への愛と発展のための貢献を訴えた。

 崔世安長官は「『一帯一路(Belt and Road)』建設と粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)建設がマカオにかつてないチャンスをもたらす。マカオ青年たちも力を合わせて、この中華民族の偉大なる大復興の参加者にして目撃者になろう」と呼びかけた。

 香港で激しい政治の嵐が吹き荒れる一方で、マカオは無風の中、静かにトップが交代しそうだ。 (c)東方新報/AFPBB News