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【8月9日 AFP】スペイン警察は7日、ニカラグア人女性らをスペインに渡航させ、高齢者介護を強要していた人身売買組織を解体したと発表した。

 治安警察の発表によると、同組織の構成員はニカラグア人一家の7人で、姉妹2人も含まれていた。スペイン首都マドリードに加え、同国北部ラリオハ(La Rioja)とウエスカ(Huesca)両県で行った強制捜査で逮捕したという。

 このうちリーダー格の48歳の女については、「ニカラグアから連れて来られた被害者」3人と共にマドリードの空港に到着した際に、身柄を拘束したとしている。

 2016年以降、女性50人がニカラグアからスペインへ渡航させられ、高齢者や重病人の介護で得た収入の実質全てを手渡すよう強要されていたと、警察はみている。

 ニカラグアに住む同組織の親族が、スペインに高給職があるとかたり、「教育機会に恵まれなかった若い女性らを中心に」勧誘。

 女性らがスペインに到着するとパスポートを取り上げ、立て替えた渡航費6000ユーロ(約70万円)を即座に返金するよう要求。女性らはその後、組織がインターネットで募集した客を介護する施設での労働を強要されていた。

「この犯罪組織は常時脅迫、威嚇、詐取、強制することにより、全被害者を威圧し、コントロールしていた。事実を通報したら、ニカラグアの親族が報いを受けることになると脅していた」と、警察は明かしている。

 組織は女性らに強制労働させることで、これまでに75万ユーロ(約9000万円)以上を稼いでいたとみられている。

 映像は空港で拘束されたリーダー格の女ら。スペイン治安警察が撮影・提供。(c)AFP