【8月8日 AFP】ドイツサッカー連盟（DFB）は7日、同国ブンデスリーガ2部のハンブルガーSV（Hamburger SV）でプレーするガンビア人選手、ベーカリー・ジャッタ（Bakery Jatta）の身元に疑惑が浮上したとして調査を開始した。

　クラブの選手記録には、2015年に16歳でガンビアからドイツに移住したジャッタは、現在21歳と記載されている。しかし、独誌スポーツ・ビルト（Sport Bild）はこの記録に異議を唱えており、同選手が実際には2歳半ほど年上で、ベーカリー・ダフェー（Bakery Daffeh）という名前でガンビア代表のU-20でプレー経験があると報じた。

　難民から前途有望なサッカー選手となったジャッタの旅路は、ドイツ国内で注目の的になった。しかし、同誌はジャッタが未熟な若者などではなく、ドイツに渡る前にはガンビア代表のU-20に加え、アフリカでは数え切れないほど多くのクラブでプレーしていたと伝えた。

　報道ではまた、指揮官2人がジャッタが元選手のダフェーであると断言したとされている。また、ダフェーの消息が途絶えたのは2015年8月で、ジャッタがドイツに移ってきた時期と一致しているという。

　ハンブルガーのスポーツディレクターを務めるピーター・クネーベル（Peter Knaebel）氏は、2016年のはじめに行われた身体検査で、「彼の生物学的発達は終わっている」と指摘していた。そうした所見があったにもかかわらず、ジャッタの本当の年齢が疑問視されることは一度もなかった。

　独スポーツ通信社SIDは、今回の報道に対してハンブルガーがジャッタを擁護した上で独自調査を開始したと報じた。

　クラブ側は「ベーカリー・ジャッタの有効なパスポートと労働許可証を所持している」と主張すると、「ベーカリーはチームに加入して以降、ずっと模範的な存在となっている。彼はチームに素早く溶け込んだ。われわれは、選手としても人間としても彼をリスペクトしている」と述べた。

　ジャッタの代理人も書類の偽造を否定しており、「彼には有効なパスポートがあり、それは確認済みだ。それ以外のことは、われわれには何のことか分からない」と地元メディアに語った。

　ビルト誌の主張が立証されればジャッタは労働許可が取り消され、DFBから処分を受ける可能性がある。(c)AFP