【8月7日 AFP】フィリピンは6日、蚊に刺されることによって感染するデング熱の全国的な流行を宣言する一方、世界初のデング熱ワクチンについては、使用禁止の方針を堅持すると明らかにした。

 フランシスコ・デュケ(Francisco Duque)保健相は記者会見で、「デング熱の全国的な流行」を宣言。1月1日から7月20日までの症例は、前年同期比98%増の14万6062件に上り、662人が死亡したと明らかにした。

 フィリピン政府は2016~17年、仏医薬品大手サノフィ(Sanofi)が開発したデング熱ワクチン「デングワクシア(Dengvaxia)」の接種キャンペーンを実施。接種を受けた70万人以上のうち子ども数十人が死亡したことを受けて、今年2月に同ワクチンの販売、輸入、頒布を禁止していた。

 デュケ氏は6日、サノフィによる同ワクチンの販売承認の再申請について、検討中と説明。一方、現在の流行への対策で、幼い子どもらに重い症状がみられた同ワクチンを使用する可能性は排除した。

 フィリピンは2016年、世界で初めてデングワクシアを使った大規模予防接種キャンペーンを実施した。

 しかしサノフィが翌年、感染歴がない人に同ワクチンを接種した場合、感染時により深刻な症状を引き起こす可能性があると明らかにしたことで、物議を醸していた。(c)AFP