【8月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、相次ぐ北朝鮮によるミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体発射試験について、国連決議違反の可能性があるとする一方で、北朝鮮は「失うものがあまりにも多い」ため、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長はトランプ氏を「失望」させたくないだろうと述べ、ミサイル発射を重視しない姿勢を示した。

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 トランプ氏はツイッター(Twitter)で立て続けに3回ツイートを投稿。その中で「国連(決議)への違反はあるかもしれないが、金委員長は私への信頼に違反して私を失望させたいとは思っていない。北朝鮮が得るものはあまりにも多い。同時に、失うものもあまりにも多い。私は間違っているかもしれない。それでも、金委員長は自国について偉大かつ素晴らしい展望を抱いており、その展望を実現させられるのは私を大統領とする米国だけだと私は確信している」と述べて、個人的な金委員長に対する熱烈な支持を表明。一連の短距離ミサイル発射を気に留めなかった。

 核保有国の北朝鮮は、国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議で弾道ミサイルに関する活動を禁じられているにもかかわらず、この数日間に相次いで短距離弾道ミサイルの発射試験を実施。安保理の欧州メンバーは、発射は決議違反とする非難声明を発表した。

 この数時間後、北朝鮮外務省は国営朝鮮中央通信(KCNA)を通じて、「南朝鮮(韓国)で繰り広げられる戦争演習と先端攻撃兵器の増強については、あくまでも目をつぶり」ながら北朝鮮の通常兵器開発を「根拠なくけなしている」と、安保理を批判した。

 米韓は来週から合同軍事演習を実施する予定だが、北朝鮮は怒りをあらわにしており、相次ぐミサイル発射は米政府への圧力強化が狙いではないかと、専門家らは分析している。(c)AFP/Sebastien BERGER / with Chris Lefkow in Washington