【7月30日 AFP】ドイツ・フランクフルトの鉄道駅で、エリトリア国籍の男(40)が列車の進入時、8歳の少年とその母親を押し、少年は列車にひかれて死亡、母親が負傷した事件で、容疑者はスイス在住で3児の父親であり、精神鑑定を受ける予定であることが分かった。当局が翌30日、明らかにした。

 独検察当局によると、容疑者はフランクフルト中央駅で親子を押し、少年は高速列車ICEにひかれて死亡、40歳の母親はかろうじて線路から逃れた。さらに78歳の女性も押そうとして失敗していたという。男は殺人および殺人未遂容疑が掛けられている。

 フランクフルト検察は記者会見で、犯行直後に逮捕されたこの男について、被害に遭った親子との面識はなく、アルコールや薬物を使用した兆候もないと発表。今回の事件は容疑者の精神疾患を示唆しており、「刑事責任能力を判断するため、容疑者に対しては間違いなく精神鑑定が行われる」と述べた。

 検察によると、容疑者は動機については依然口を閉ざしているものの、2006年からスイスで暮らし、結婚して3児の父親だというこの男は警察に対し、数日前にスイスのバーゼル(Basel)から電車でドイツ入りしたと話しているという。

 容疑者が正式に起訴されて裁判を受け、有罪と認められれば、終身刑に処される可能性があるという。(c)AFP