【7月27日 AFP】うだるような真夏の暑さにうんざりしているのなら、ブルガリア伝統の暑さ対策を参考にしてみてはどうだろう。その対策とは、泥水のプールに浮かんで過ごすのだ。
 
 ブルガリア東部の黒海沿岸都市ブルガス(Burgas)では毎年、夏になると地元の住民や観光客ら数千人が近郊の製塩場に併設された屋外の「泥スパ」に押し寄せる。このスパの泥には製塩過程で発生するアルカリ性のあく(灰汁)が含まれているため、プールの水は塩分を含んだ粘性のあるものとなっている。このピンクがかった泥水は体を冷やせるだけでなく、健康や美容にも効果があると信じられている。

 スパの利用料はわずか1ユーロ(約120円)。後は好きなだけスパで過ごすことができる。訪れた人たちは、体に水辺の泥を塗りたくり、泥が乾いたら、巨大な池を転用したプールで泥を洗い流し、のんびりとピンク色の泥水に浮かんで過ごす。アシの草むらを越えて黒海の冷たい海水に飛び込む人たちもいる。

 以前のスパは地元住民たちが利用するだけだったが、最近になってプール脇に遊歩道やデッキを整備するなどの「お色直し」をしたところ、スパの建設地である岩塩坑の所有者によると、1日に4000人もが訪れる人気スポットとなった。(c)AFP