【8月2日 AFP】ベネチア・クリソストマイド(Venetia Chrysostomide)さん(16)は、ヘルメットをかぶってソーラーカーに乗り込み、キプロスの首都ニコシアで行われたレースに挑んだ。クリソストマイドさんのソーラーカーが環境に優しいのはもちろんだが、実は予算面でも「優しい」。製作費は5000ユーロ(約60万円)だ。
 
 クリソストマイドさんはキプロスで6月に行われた3時間のソーラーカーレースに挑んだ。参戦した車両の動力源はもちろん、地中海に浮かぶ島国キプロスの最も豊富なエネルギー資源、太陽光だ。

 レースでハンドルを握ったのは、多くがクリソストマイドさんのような高校生。ニコシア近郊にある村の、数学と体育が大好きな生徒たちだ。クリソストマイドさんは「唯一の女性参加者であることを誇りに思う」と話し、太陽エネルギーで動くソーラーカーを使えば、環境汚染を改善できると語った。

 クリソストマイドさんのソーラーカーはマウンテンバイク2台の部品と金属の骨組み、それにバッテリーに接続された4枚のソーラーパネルからできていて、最高時速は80キロ。高校の先生が同僚や整備士の友人らと一緒に、自身の家のガレージで何週間もかけて製作した。

 レース主催者によると、参加者らの製作費は平均で約8000ユーロ(約97万円)。オーストラリアで開催される世界最大のソーラーカーレースとは対照的な金額だ。今回のレースの目的は、ソーラーカーはもっと簡単に、もっと安くできるということを広く知ってもらうことだという。

 同主催者は、「キプロスは小さな島国。島の端と端を結ぶ直線距離が長くても150キロから200キロくらい」で、ソーラーカーで競い合うにはちょうど良い広さだと話した。
 
 映像は6月23日撮影。(c)AFP/Isabelle WESSELINGH and Emily IRVING-SWIFT