【7月26日 AFP】香港の警察当局は25日、犯罪組織「三合会(Triad)」によるデモ参加者ら襲撃に抗議するため中国本土に近い元朗(Yuen Long)区で27日に予定されているデモについて、実施を認めないと発表した。地元住民がデモ隊から報復攻撃を受ける恐れがあるためとしている。

 香港では今週末も、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をきっかけにした反政府デモが行われるとみられており、警察の異例の通達を受けて緊張感が高まっている。

 地元警察幹部は記者団に、「デモ行進に参加すれば法律に違反することになる」と述べた。だが、デモ主催者らは強行する構えを見せている。

 元朗区では先週末、バットや棒を手にした白い服の集団が鉄道駅の構内や列車内で民主派デモの参加者らを襲撃し、45人が負傷。市民の怒りを招いている。対応が遅すぎたとして警察は厳しい批判にさらされており、当局との癒着や、体制側につく暴徒を黙認しているなど、非難の声も高まっている。

 警察は一連の疑惑を否定している。(c)AFP/Jerome TAYLOR, Yan ZHAO