【7月26日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)は25日、モータースポーツ発祥125周年を記念して、車体の半分を「レトロ」な白いカラーリングにした特別仕様のマシン「W10」を披露した。

 メルセデスの親会社がスポンサーを務める今週末の19F1第11戦ドイツGP(German Grand Prix 2019)において、通算5度の総合優勝を誇るルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)とバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)が駆るマシンは、レースに向けてホワイトとシルバーを合体させた特別なカラーリングが施されている。

 28日の決勝レースはまた、メルセデスにとってはマニュファクチャラーとして選手権に参戦して200戦目の記念レースとなっている。

 クルマのフロント部分は、メルセデスのオリジナルカラーに敬意を表したラッピングに修正されており、白の塗装だけでなく、赤の数字と昔ながらのロゴがプリントされている。一方、リア部分はチームの代名詞となっている「シルバーアロー」の銀のカラーリングが大部分を占めている。

 チーム代表を務めるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏は、「世界最初のモーターレースが行われたのは、1894年の仏パリからルーアン(Rouen)までだった。優勝したマシンの心臓部には、ドイツ人技術者のゴットリープ・ダイムラー(Gottlieb Daimler)が設計したエンジンが搭載されていた」と語った。

「それが偉大なモータースポーツの伝統の起源で、現在まで続いている。このレガシーの次の章を書き加えることを、われわれは心から誇りにしている」

 メルセデスは現代のF1レースで圧倒的な強さを発揮しており、コンストラクターズ選手権では首位を維持して2位のフェラーリ(Ferrari)に164ポイント差をつけているほか、ドライバーズ選手権でもハミルトンが総合トップに立ち、ボッタスが39ポイント差で2位につけている。

 メルセデスによると、発足当時のチームのマシンは白のカラーリングとなっていたが、1934年に行われたレースで、重量を軽くするために塗装を剥がす必要に迫られたという。

 その理由は、独ニュルブルクリンク(Nurburgring)で同年6月3日に開催された国際レースのアイフェルレンネン(Eifelrennen)において、エントリーしていた当時のマシン「W25」が重量制限の750キログラムを超えていることが発覚したためだという。

「伝えられている話によると、チームは白のペイントを剥がして重量を規定値に収めることができたらしい」「白のペイントがなくなり、ボディーの金属部分が露出して色がシルバーに見えた。それが初代シルバーアローの誕生となった」 (c)AFP