【7月25日 AFP】台湾スケート連盟(CTSU)は24日、台北で10月30日から11月3日まで行われる予定だったアジアオープン・フィギュアスケート・トロフィー(2019 Asian Open Figure Skating Trophy)の開催地が変更になったことを受け、中国側の「悪意ある圧力」を批判し、競技への政治介入をけん制した。

 中国と距離を置く蔡英文(Tsai Ing-wen)氏が2016年に総統に就任してから、中国は台湾に対して軍事力と政治的な圧力を強化している。

 CTSUは、チャレンジャーレベルのこの大会の開催地が中国南部の東莞(Dongguan)に変更になるという通達を、22日に国際スケート連盟(ISU)から受けたと明かした。

 台湾の外交部は24日、「政治的要素」を理由にISUが台湾での大会開催を取り消したのは非常に残念だと述べ、「またしても国際的な非政府組織に干渉した」として中国を強く非難した。

 スポーツの国際大会の開催地が台湾から変更になるのは、この1年で2度目。

 台湾の体育署によれば、昨年北京で行われた東アジアオリンピック委員会(EAOC)の会合では、投票により台中(Taichung)での東アジアユースゲームズ(2019 East Asian Youth Games)の開催が取り消されたという。

 台中市役所は、大会に向けた施設の建設に約2100万ドル(約22億7000万円)を費やしたと話しており、台湾政府は当時、中国側の脅迫を批判していた。

 蔡政権の発足後、中国から圧力を受けている台湾は国際大会への参加に関しても妨害を受けてきた。

 中国は、自治体制を備えた民主主義の台湾について、再統一されるべき地域であり、必要であれば武力行使も辞さないと考えている。

 ISUは発表文の中で、今回の開催地の変更はCTSUを含む何人かの委員によって提起、合意されたものだと明かし、5月に「ISUは加盟している複数のアジアの連盟から、同大会をアジアの他の国で開催するのが望ましいという指示を受けた」という。

 しかしCTSUは24日、異議申し立てに向けた準備で「ISUの意思決定プロセスを明らかにするつもりだ」と発表の中で述べるなど、遺憾の意を表明した。(c)AFP