【7月23日 AFP】エルサレム(Jerusalem)の南、分離壁に近いスル・バヘール(Sur Baher)地区で22日、イスラエル当局が違法建築だとしてパレスチナ人の集合住宅を解体した。パレスチナ指導部や国際社会から、非難の声が上がっている。

 AFP特派員によると、夜明け前、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)とエルサレムにまたがって位置するスル・バヘールにイスラエルの警官と兵士数百人が到着。ヨルダン川西岸を隔てているイスラエルの分離壁に近い地区一帯の建物を封鎖した。

 計10棟の建物に解体命令が出されていたが、その大半はまだ建設中だった。この日はブルドーザーが少なくとも3棟を解体した。

 住宅内で抵抗していた住民や活動家らは引きずり出された。ある男性は「俺はここで死にたい」と叫んでいた。

 解体された建物の一つの所有者、アクラム・ザワヒラ(Akram Zawahra)氏は「やつらは私たちの夢、そして私たちの子どもたちの夢を破壊している」「けれど、私たちの意志は破壊できない」と語った。

 国連(UN)や欧州連合(EU)はイスラエルによる解体を非難し、即時停止するよう要求した。EUは「この政策は2国家共存による解決の実現性を損ねる」と批判した。