【7月22日 AFP】20日のボクシング・WBA世界ウエルター級王座統一戦でキース・サーマン(Keith Thurman、米国)に勝利したマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)が、次のファイトは2020年になることを示唆した。陣営も、しばらく休養してから対戦相手を選びたいという意向を示している。

 40歳のフィリピンのレジェンドは、サーマンの「圧力」とパンチ力を称賛しながらも、ここまで無敗だった相手に2-1の判定で勝利。時の流れには逆らえないというボクシング界の常識を覆すような戦いぶりで、輝かしいキャリアに新たな驚愕(きょうがく)の一ページを刻んだ。

 見事な形でウエルター級の一角を取り戻したことで、パッキャオは再び同級の主役の一人に名乗りを上げている。この日のファイトでは推定2000万ドル(約21億5000万円)を手に入れたが、本人が望むなら、それ以上の報酬が見込める試合も設定できるだろう。

 IBF王者エロール・スペンス・ジュニア(Errol Spence Jr.、米国)との統一戦が決まれば注目が集まることは間違いなく、またフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.)氏との「世紀の一戦」第2幕のうわさも相変わらずくすぶっている。

 とはいえ、この日リングサイドでパッキャオの健在ぶりを目の当たりにしたメイウェザー氏には、引退を撤回する意思はまったくなく、2年前に行った総合格闘技のスター選手、コナー・マクレガー(Conor McGregor、アイルランド)との試合以降は公式戦の舞台に上がっていない。

 メイウェザー氏のプロモーション会社の最高経営責任者(CEO)で、側近でもあるレナード・エレブレ(Leonard Ellerbe)氏も前週、メイウェザー氏はパッキャオとの再戦に「興味ゼロ」だと語っている。ただし巨額の報酬が期待できれば、興味をそそられないとも限らない。

 念のため予定よりも遅めにラスベガス(Las Vegas)をたったパッキャオは、次の試合は来年になる可能性を示唆している。

 長年トレーナーを務めるフレディ・ローチ(Freddie Roach)氏も「『次は誰だ?』とすぐに聞かれても、しばらくは考える必要がない」「マニーはこちらを離れて休むだろうから、われわれも後で考えればいい。選択肢に目を向ける必要がある」と対戦相手の選定には時間をかける考えを示している。

 メイウェザーとの再戦については、ローチ氏も実現が難しいことを認め、「それは考えられない」「フロイドは引退しているし、陣営は興味がないと言っている。しかし他にも選択肢は出てくるだろう」と話した。

 さらにローチ氏は、パッキャオがサーマン戦で見せた驚異的なスタミナを振り返りながら、次のように話した。

「ジムでは疲れを見せないマニーも、さすがに今夜は中盤のラウンドで疲れていた」「注意して観察していたよ。しかしマニーは非常に調子が良く、最後まで力強く戦い抜いた」「きょうの試合を考えれば、40代とはいっても、彼はボクシングの世界でまだ十分にやれると思う」 (c)AFP/Rob Woollard