【7月21日 AFP】中米コスタリカで、高濃度のメタノール混入酒による中毒発症者が相次ぎ、死者も出る事態となっている。

【合わせて読みたい】飲酒に「ここまでなら大丈夫」はない、予防効果はリスクで相殺 研究

 コスタリカ保健省によると、6月第1週以降のメタノール中毒発症者は34人。これまでに19人が死亡しており、内訳は32~72歳の男性14人、女性5人。事態を受けて同省は19日、国民に向けて警報を発令するとともに、6銘柄の酒を警告対象として発表した。当局によると、これまでに約3万本が押収され、現在も全国規模で捜査が続行中だという。

 メタノールは、大量に摂取すると失明や肝臓障害を引き起こし、死亡する場合もある。

 当局ではメタノール混入濃度は不明としているが、日刊紙ナシオン(La Nacion)は、首都サンホセにあるカルデロン・グアルディア病院(Calderon Guardia Hospital)のドナルド・コレーラ(Donald Corella)救急部長の話として、押収した混入酒のメタノール濃度は30~50%だったと報じた。

 コレーラ氏によると、カルデロン・グアルディア病院で治療を受けていたメタノール中毒患者のうち、6人が死亡。4人は一命は取り留めたものの「非常に深刻な後遺症」がみられ、失明して永遠に視力を失ったり、脳に障害を負ってパーキンソン病のような震えの症状に苦しんだりしているという。

 当局によると、メタノール中毒で死亡した19人の多くはホームレスかアルコール依存症患者だった。(c)AFP