【7月19日 AFP】ハイテク都市国家シンガポールでは近い将来、複数の言語で話したり歌ったりする「フレンドリーな」ロボット数百台が各地に配備され、ホテルや商業施設、庁舎の清掃を手伝うようになる。

 卵形の頭に光る目をしたこのロボットは、すでに4体が稼働しており、来年3月までに300台が導入されると見込まれている。

 ロボットは自動で研磨やモップ掛け、ごみの吸引や掃き掃除をするだけでなく、英語でラップを歌うこともできる。

 さらに、シンガポールの公用語である英語とマレー語、中国語、タミル語の4言語に加え、日本語と「シングリッシュ」と呼ばれる数え切れないほどの現地語が交ざったシンガポールなまりの英語も話せる。

 その上、冗談を言ったり、道をふさぐ人に脇に寄るようお願いしたりできるほか、「心」というボタンを押すかアプリを使うことで、ロボットの気持ちや趣味を尋ねることもできる。

 地元企業のライオンズボット(LionsBot)が製造するこのロボットには14種類のモデルがあり、レンタル料金は月額1350シンガポール・ドル(約10万7000円)からとなっている。

 ライオンズボットのディラン・ウン(Dylan Ng)最高経営責任者(CEO)はAFPに対し、「いつもフレンドリーで、名前を覚えてあいさつしてくれる清掃人のことは誰もが知っている。だからそんな状況を再現したいと思っている」と語った。

 このロボットには、高齢化が急速に進むシンガポールの労働力不足を補うという役目もあるが、清掃人に取って代わるものではなく、補佐を意図したものだとウン氏は強調している。(c)AFP