【7月15日 AFP】欧州連合(EU)の欧州委員会(Eropean Commission)は17日、米インターネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)による外部出品者データの不正使用疑惑について正式調査を開始した。

 EUは米巨大IT関連企業の独占的な優位性を警戒し、アマゾンに加え、IT大手グーグル(Google)、交流サイト(SNS)最大手のフェイスブック(Facebook)、電子機器大手アップル(Apple)の動きを継続的に注視してきている。

 強力なトラスト規制権限を持つ欧州委のマルグレーテ・ベステアー(Margrethe Vestager)委員(競争政策担当)は今回の調査について、「アマゾンの事業慣行と、オンライン市場であると同時に小売業者でもある同社の二重の役割を吟味し、EU競争規制を順守しているかどうか評価することにした」と説明した。

 調査の中心となるのは、アマゾンの第三者の出品者に向けたサービス。外部出品者らは顧客へのアクセスと販路拡大のため、世界最大のオンライン市場であるアマゾンのサイトを利用しているが、同社はこのサービスを提供する過程で「サイト上のアクティビティーに関するデータを常時収集している」と、同委員会は指摘している。

 初期調査により、アマゾンが「マーケットプレイスの出品者やその商品、取引について、競争上機密性の高い情報を利用している可能性」が示唆されているという。

 これを受けてアマゾン側はAFPのメール取材に対し、「欧州委員会に全面的に協力するとともに、あらゆる規模の出品事業者を支え、その成長を後押しすることに引き続き注力していく」と答えた。(c)AFP