【7月17日 AFP】北極点から970キロ足らずの世界最北端の定住地カナダ・アラート(Alert)で14日、気温が21度を記録した。カナダの気象当局が16日、明らかにした。

【特集】地球温暖化

 カナダ環境・気候変動省の気象学者アルメル・カステラン(Armel Castellan)氏は、「統計値として極めて驚異的だが、地球温暖化によって打ち立てられてきた何百もの記録のほんの一例にすぎない」と述べた。

 アラートでは、14日に21度、15日に20度を記録。カステラン氏は、「間違いなく最高記録だ。こんなのは過去に見たことがない」と述べ、これほど北に位置する地でこのような高温が記録されたのは「全く驚くべきこと」だと語った。

 カステラン氏によると、アラートでは1週間半前から例年よりはるかに高い気温が続いていた。

 前回20度が記録されたのは1956年7月8日だが、北極海(Arctic Ocean)沿岸では2012年以降、気温が19~20度まで上がる日が数日間あった。

 アラートの7月の日平均気温は約3度、日最高気温の平均は約6度。

 現在の熱波はグリーンランド(Greenland)上空の高気圧によるもので、この高気圧は「並外れて強く」、北極海に南向きの風を送り込んでいるという。

 カステラン氏は、「気候変動はまさしく、(気温の記録更新に)間接的・直接的な影響を及ぼしてきた」と述べ、二酸化炭素排出量の大幅な削減が必要だと強調した。(c)AFP