【7月16日 AFP】国連(UN)は15日、米政府がイランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相のビザを発行するにあたり、異常に厳しい行動制限を設けたことに懸念を表明した。

 ザリフ外相は17日に国連経済社会理事会(ECOSOC)で開かれる持続可能性に関する閣僚会合に出席する予定となっている。

 米政府は数週間前、ザリフ外相に対し制裁を科すと警告していたが、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官はザリフ外相にビザを発行したと述べた。しかしこのビザは、イラン国連代表部が位置するニューヨーク・マンハッタン(Manhattan)のミッドタウン(Midtown)地区から数ブロック以上の移動を禁止する厳しい制限を設けていることが明らかになった。

 ポンペオ氏は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に対し、「(イランを訪問する)米外交官らはテヘラン市内を歩き回ったりしない。従ってイランの外交官がニューヨーク市内を自由に歩き回る理由も何ら見いださない」「ザリフ外相は米国のさまざまな自由を利用してやって来て、悪意あるプロパガンダを拡散する」などと述べた。

 これに対し、ファルハン・ハク(Farhan Haq)国連事務総長副報道官は、国連事務局がザリフ氏に対する移動制限に関して米・イラン両国の国連代表部と連絡を取り、会議開催地である米国側に懸念を伝えたと明らかにした。

 国連本部を置く米国は、国連を訪れる各国の外交官らに速やかにビザを発行することに合意しており、発行を拒否することはほとんどない。敵対国の外交官に対しては通常、マンハッタンのコロンバスサークル(Columbus Circle)から半径40キロ以内に移動制限を設けている。(c)AFP