【7月15日 AFP】米ルイジアナ州イントラコースタルシティー(Intracoastal City)に13日に上陸した大型の熱帯低気圧「バリー(Barry)」の勢力は、14日にはさらに弱まったものの各地に大雨をもたらしており、洪水や竜巻の危険も残っているという。

 バリーは一時、大西洋海域で今年初めてのハリケーンにまで発達したが、米国立ハリケーンセンター(National Hurricane CenterNHC)はすぐに熱帯暴風雨に格下げし、その後さらに熱帯低気圧とした。

 これまでにルイジアナ州や隣接州でバリーによる死者は確認されていないものの、バリーは内陸を北上し、深刻な大雨をもたらしている。

 今年の雨期には米国を縦断するミシシッピ川(Mississippi River)上流で例年にない降水量が観測されており、ルイジアナでは今回の大雨により水位の上昇した河川や水路に警戒が続いている。

 ミシシッピ川を管理するミシシッピ川委員会(Mississippi River Commission)のリチャード・カイザー(Richard Kaiser)委員長は米FOXニュース(Fox News)の取材に対し「1895年以降、最も雨の多い年」で、川幅の広いミシシッピ川も「洪水寸前」だと述べた。

 ルイジアナ州中南部の予想降水量は80~130ミリに引き下げられたが、河川や水路はすでに限界近くまで水位が上昇している。断続的な大雨に見舞われた同州最大の都市ニューオーリンズ(New Orleans)の空港は13日、終日欠航となったが、14日には通常運航を再開した。また同市の堤防は決壊が危ぶまれていたが、その危険は和らいだ。

 同市のラトーヤ・カントレル(LaToya Cantrell)市長は13日、住民に警戒を促したが、14日の会見では今回の嵐を「何とか乗り切った。大きな被害が出なかったのは幸運だった」と話した。(c)AFP/Michael Mathes