【7月15日 AFP】100万人近くのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が収容されているバングラデシュ南東部の難民キャンプがモンスーンの被害に遭い、少なくとも10人が死亡、多くの住居が破壊された。当局が14日、明らかにした。

 バングラデシュ気象局によると、ミャンマー軍の弾圧から逃れたロヒンギャ難民が生活しているバングラデシュ南東部のコックスバザール(Cox's Bazar)では、今月2日からの雨量が585ミリに達した。

 国際移住機関(IOM)の報道官は、難民キャンプで発生した土砂崩れにより、7月前半の2週間だけで、防水シートと竹でできた小屋4889戸が破壊されたと説明。このキャンプでは、丘の斜面に難民たちの小屋が多く建てられているという。

 国連(UN)によると、この難民キャンプでは4月以降、200回以上の土砂崩れが報告されており、少なくとも10人が死亡し、5万人近くが被害を受けた。また、先週だけでも未成年のロヒンギャ難民2人が死亡し、約6000人が豪雨によって住居を失った。

 さらに、750か所以上の学習センターが被害を受け、5か所が激しく損壊したことで、子ども約6万人の教育が中断したという。

 難民らは雨で物流や日常生活に影響が出ていると話す。その一人はAFPに対し、泥水の中を歩いて食糧配給センターに行くのは大変だと訴え、「豪雨と突風で生活は悲惨な状態になった」と嘆いた。

 また難民らは、飲料水の不足や、トイレが水浸しになったことで病気の流行が助長され、健康上の危機が迫っていると訴えた。(c)AFP/Sam JAHAN