【7月16日 東方新報】マレーシアの有名なダイビングスポットで5日、ダイビングをしていた中国人2人とマレーシア人インストラクター1人の計3人が死亡した。地元漁船が違法な「ダイナマイト漁」をしたことが原因とみられる。

 5日午後、中国人2人とマレーシア人インストラクター1人は世界的に有名なダイビングスポットとして知られるカリマンタン(ボルネオ)島北部サバ州センポルナから船で30分ほどのカラプアン島海域に向かい、ダイビングを始めた。いったんその場を離れた船が約束通り1時間後に戻ると、全く身動きしていない状態の3人を発見。中国人2人は既に息がなく、インストラクターも病院で死亡が確認された。

 3人の水中マスクは破損し、ボンベが使えなくなっており、周辺に多くの死んだ魚が浮かんでいたことから、警察は違法なダイナマイト漁が原因とみて捜査をしている。3人を乗せた船がいったん現地を離れたため、この海域に誰もいないと漁船が誤認したとみている。

 マレーシアでは、ダイナマイト漁は違法行為だ。ダイナマイトの爆発や衝撃波で多くの魚を取ることができるが、サンゴ礁などの自然を破壊し、人命にかかわる事故が起きるためだ。地元警察は「取り締まりを強化しているが、すべての海域をくまなくパトロールするのは難しい。われわれの警備艇が巡回して過ぎ去るのを見て、活動する漁民もいる」と話す。

 サバ州コタキナバルの中国総領事館は現地警察に対し、迅速な捜査を求め、中国人の遺族への説明や再発防止を求めた。

 中国人の海外旅行は増加の一途を遂げており、それに伴う事件や事故に巻き込まれる観光客も増えている。(c)東方新報/AFPBB News