【7月10日 AFP】モナコは9日、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の技術を基軸とした第5世代(5G)移動通信網を欧州で初めて全土に開設した。

 フランスの富豪グザビエ・ニエル(Xavier Niel)氏が所有するモナコテレコム(Monaco Telecom)は昨年9月、欧州で初めて全国をカバーするファーウェイの5G通信網を導入することで同社と合意した。

 モナコテレコムのエティエンヌ・フランツィ(Etienne Franzi)社長は9日の開設式典で「われわれは、5Gネットワークによって完全にカバーされる初めての国となる」とコメントした。
 
 モナコは小国だが、ファーウェイの郭平(Guo Ping)取締役副会長は今回の5G開設について、他国や他の事業者のモデルとなる重要な機会だとしている。

 一方、米国の情報機関は、ファーウェイは中国軍の支援を受けており、同社製品が中国の情報機関に、対立する諸外国の通信網に入り込む「バックドア」を提供している可能性があると主張している。

 だが、5月にAFPの取材に応じたモナコテレコムのマルティン・ペロネ(Martin Peronnet)最高経営責任者(CEO)は「5G通信網導入について、ファーウェイとの合意に向けて最終過程にある国や事業者、あるいはすでに展開している国や事業者は数多い」と述べ、ファーウェイとの連携を正当付けている。(c)AFP/Erwan LUCAS