【7月9日 AFP】香港のポップス歌手で民主派活動家でもあるデニス・ホー(何韻詩、Denise Ho)さんが8日、国連人権理事会(UN Human Rights Council)で演説し、中国への圧力を強めるよう国際社会に訴えた。その最中には、中国の外交官が演説を2度中断させる場面もあった。

 ホーさんはこれまで香港で、民主改革を要求し、自由の縮小に抗議して行われている大規模なデモ行進に参加してきた。

 人権理事会でホーさんは、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案を非難。理事会の出席者に「香港の人々を守るために国連は緊急会合を開いてはどうか?」と問いかけ、香港の自由は「深刻な攻撃」を受けていると訴えた。同法案は香港の近代史上最悪の危機を招き、現在審議が延期されている。

 一方、ホーさんの演説中には中国代表団の一等書記官が、演説者が国連規範に違反したと加盟国が感じた際に取る手続きである議事進行動議を提起し、演説を2度妨げた。

 一等書記官は、ホーさんが香港について中国の一部として言及するのではなく、香港と中国を同等に扱ったことで中国政府を「侮辱」したと主張した。

 演説を終えたホーさんは報道陣に対し、中国と香港を「同等」に位置付ける意図はなかったと述べる一方、「香港では私たち全員が危機に直面している。私たちの言論の自由が失われる中国の一都市に、香港もまたなろうとしている」と強調した。(c)AFP