【7月8日 AFP】スリランカのマイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)大統領は6日、同国の港湾に対する米軍の自由なアクセスを可能とする軍事協定の締結を許さないと表明した。

 シリセナ大統領は、スリランカと米国の軍事的連携をさらに強化するために両国が交渉中の地位協定(SOFA)案に反対すると主張。シリセナ大統領は、欧米寄りのラニル・ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)首相とは対立している。

 シリセナ氏は同国南部で行われた集会で、「わが国の独立や主権を損なうような協定は一切認めない」と明言し、「現在議論されているいくつかの協定は、スリランカにとって有害だ」と批判。一部の国がスリランカを自分たちの基地の一つにしようとしていると指摘した上で、「こうした国々がやって来て、わが国の主権を脅かすようなことは認めない」と訴えた。

 米国との地位協定は、港湾施設への相互アクセスを保証し、また米軍の関係者や請負企業などに自由な入国を認めるというもの。シリセナ氏は、来年1月までの自身の任期中は「スリランカの国益を害する」2国間協定を結ぶことはないと述べた。

 米政府は昨年、中国がインド洋上の島国であるスリランカに戦略的拠点の足掛かりをつけたことを受け、スリランカの海上警備に3900万ドル(約42億円)を拠出すると発表。中国が「一帯一路(Belt and Road)」構想の主要中継地となるスリランカで港湾などの建設プロジェクトへの投資を強化する中、米国はスリランカへの関心を高めている。(c)AFP