【7月8日 AFP】独銀行最大手のドイツ銀行(Deutsche Bank)は7日、2022年までに全従業員の5人に1人に相当する1万8000人を削減する方針を発表した。この解雇で年間コストを60億ユーロ(約7300億円)削減できる見込みだという。

 かつてドイツ金融部門の代表格だった同銀は、数年にわたる経営危機から抜け出そうと模索している。クリスティアン・ゼービング(Christian Sewing)最高経営責任者(CEO)は、一連の再編計画を「ドイツ銀行の再出発」と位置付け、「今日、われわれはドイツ銀行にとって過去数十年で最も抜本的な改革について発表した」と述べた。

 ドイツ銀行にとって、この事業再編は最後のチャンスとなる可能性がある。同銀は今年初め、競合する独コメルツ銀行(Commerzbank)との合併交渉が大きく取り沙汰された。しかし、自国経済の資金供給に不可欠な同銀が外資系に買収されることを恐れたドイツ財務省の後押しがあったにもかかわらず、合併交渉は破談になった。

 過去4年間で、同銀の時価総額は75%下落。これによって、より大規模な銀行の買収対象となっている。(c)AFP/Tom BARFIELD